粂川=演出:粂川鴻太
稽古の調子はいかがですか?
粂川:だいぶ順調だと思いますよ。もちろんキャストを一人まだ欠いているので全く触れていないシーンがあるにはあるんですけど、全体の7~8割くらいは転換(シーンとシーンの繋ぎ)も含めて動きや演技の方向性を確認できているので。はやく通し稽古(最初から最後まで止めずに行う稽古)がしたいです。
順調にいっている要因はなんですか?
粂川:まず間違いなくキャスト陣の力量がひとつ。演技力だけじゃなくて、コミュニケーションがうまい人が集まっていると思うので、それも大きいです。7人しかいないんで。稽古後にご飯とか行けない分、稽古場で全部関係性を深めていかないといけない。「雑談が上手い」っていうのは、やっぱり仕事ができる一つの条件だなと思いましたね(笑)。
コミュニケーションがうまい、というのは?
粂川:なんでしょうね。距離感の詰め方が上手い。僕がいま25歳で、ちょうど座組の真ん中世代。先輩もいれば後輩もいるんですけど、お互いに気を使いすぎることなく、フラットな関係性ができつつある。これは誰がどうとかじゃなくて、全体の雰囲気も大きいです。
確かに稽古場の雰囲気はいいですよね
粂川:まあ、どこでもみんな言うんですけどね。「ウチの稽古場は雰囲気がいい」って(笑)。でも今日木村さん(木村圭介)とおいちゃん(及川晴日/演出助手)と話してたのは「ピリピリしてる稽古場にメリットないよね」って。本当にそうだと思ったんで、絶対ピリピリしないで千秋楽まで行こうと思ってます。最大「ピリッ」くらいで。
おっ。「ピリッ」はあり得るんですか?
粂川:まあなんですかね、休憩の空気を稽古に入っても引きづってしまったりしたら問題だなとは思いますし。それは和やかな稽古場じゃなくて、怠惰な稽古場なんで。オンとオフの切り替えが特に今後大切になってくると思います。
オンとオフの切り替えが大切…具体的には?
粂川:まだ「シーンを組む」っていう段階で演技自体がどうのこうのっていうのは、今日から始めた感じなので。そうなってくると必ず、どうしたらいいか迷子になったり落とし穴にハマったりするときが出てくる。で、停滞感とか無力感とか「あいつがもっとこうすりゃいいのに」とか、そういうのが生まれてきて空気が澱んでくる。でもそれを休憩の時間になったら一回全部切り替えて「さあ、みんなで作っていこうぜ」ってなるのが良い稽古場だと思うんですよね。頭抱えてもいいこと無いですから。
理想論的な感じもします。
粂川:厳しいな(笑)。確かに「こういう稽古場が正解」っていうのは、作品と同じで究極的には存在しないと思うんですけど、でも団体として目指すべき方向性はそっちかな、と。今回でいうと僕、木村さん、たかみ(中嶋尊望)、川村さん(川村瑞樹)が早稲田の学生演劇出身で、ピリピリどころかビリビリしてないと稽古場じゃねえ、くらいのところを経ていたりするので、余計にそう思うのかもしれないですね。個人的にはビリビリも嫌いじゃないんですけど、今日木村さんは「必要悪だった」って言ってました。めっちゃ腑に落ちた(笑)。
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タイオン plan.1
「ナイルの西で」
2021年3月24日~28日
🏛MOMO(中野ポケットスクエア)
出演:森原彩夏・木村圭介・美里朝希・上杉英彰・中嶋尊望・川村瑞樹・粂川鴻太
24日(水)18:30
25日(木)13:30 / 18:30
26日(金)18:30
27日(土)12:30 / 15:30 / 18:30
28日(日)13:00 / 16:00
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